〜ギターの音作りを考える〜
J’zスタッフが気ままに綴るスタッフブログの中からセレクトして今回ご紹介するのはDaisuke君がレポートしたこのエピソード。
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先日、Jzstudio WESTにてシンガーソングライター岡洋史くんの新曲のギター録りがありました。その際に、いろいろと感じたことを、今日はレポしてみたいと思います。
<使用機材>
Gibson Les Paul Standard 1978 Gold TOP
Gibson Les Paul Historic Collection Gold Top P-90
Badcat Customshop Cub2r 30w 1×12′
BBE Sonic Stomp
Hermida Audio Zendrive
上記の組み合わせで、バッキング~ソロを録音しました。
今回のレコーディングは、POP系ロックな曲だったので、いつもよりクランチを抑えた音色づくりを心がけました。使用したマイクは…企業秘密ということで!
(立てた本数は4本、スピーカーへ2種類各1本オンマイク、アンビエントマイク別位置2か所各1本デス)
個人的には、1か月前に奇跡的に入手した78年のレスポールで全曲引き倒す!位の気持ちだったんですが…。P.A.F.ピックアップが、すこぶるハウる!
ノイズ対策のために設計されたハムバッカーじゃないんですか~!?Gibsonさん(泣)
ま、そこは後ほど、エンジニアのKAZUマネージャーがなんとかしてくれると信じましょう。
レコーディングでキモになるのは、いかに「狙った音」を録音するかということです。アンプから出ている音がどれだけ良い音でも、変なマイキングなどしてしまうと、ショボショボな音で録音されてしまい、製品として「まったく使えない」音になることもしばしば。
Jzstudioでは、あらかじめプレイヤーの好みの音や、「今回はこんな音で録りたい!」というリクエストをさんざんリサーチしたうえでマイクをセレクトし、マイク位置やアンプからの距離、セッティングを決めるので、
「うわ!この音…俺がスタジオで聞いてる音より、全然好みに近い!」
という状況をいつも作り出すことに成功しています(笑)
では、話を当日のレコーディングに戻します。
ノイズを極力抑えた状態で、数テイクリズムギターを録音したテイクを岡君、KAZUマネージャー、daisukeの3人でリスニングし、音の方向性を固めていきます。
この日レコーディングする曲に合わせてイメージしてきた音に近い海外アーティストの音源も、3人でチェック。その上で、岡君の今回の曲にマッチした音色のイメージを、3人で共有します。
音色、音圧、空気感。
よし、これでいいかな?というイメージが出来上がったところで、本番テイクの録音開始!バッキングを録り終えたら、そのままソロパートの録音に移行します。
この日は、ここで自分も大変勉強になる事態が発生しました。78年製のレスポールは、ソリッドで重厚な、いわゆる「ゴージャス!」なオーバードライブサウンドが全開の素晴らしい音なんですが、この音でソロを組み立てると、かなりギターの自己主張が強くなってしまうことが判明。
というわけで、スタンバイさせておいたヒスコレのレスポールに、さっさとチェンジ。こちらは、ピックアップもハムバッカーではなく、P-90(シングルピックアップ)が搭載されています。これで同じソロを弾いても、ずいぶんクリアー感が強い、すっきりとした味わいに(ビールのCMみたい)。こちらの音色の方が、後ほどのミックスダウンでもコントロールしやすいだろうとのKAZUマネージャーからの太鼓判も頂き、めでたくREC終了と相成りましたー。
「さっさとチェンジ」できたところが良かったわけです。これであーでもないこーでもない、と時間ばかり浪費して、みんなのエネルギーをそぎ落とすのを回避できました。
長文となりましたが、いかがでしたでしょうか?
参考になれば幸いです。
Jzstudioでは、ハイエンドマイク、貴重なヴィンテージマイクを多数保有しております。狙えない音は無いと言いたいエンジニア魂を持って、ミュージシャンのみなさまの要望に少しでも応えるべく腕を磨いております。
レコーディングに興味がある方、どうぞお気軽に質問してくださいね!